花の香り、木漏れ日、爽やかな風。表情鮮やかな四季の移ろいを暮らす空間に招き入れ、自然とともに暮らす住まい。大きく水平に張り出した庇とウッドデッキの間の空間は外でも中でもない曖昧な空間が存在します。この曖昧な空間こそが人にとっての居心地の良さを感じる場所の一つです。この曖昧な空間は太陽とそよ風を肌で感じることのできる、もう一つのリビングなのです。住まいの中と外を遮断しないで、つながりを持たせた空間で日本の四季を感じながら過ごす贅沢をあなたに。
空間を物理的な壁で区切るのではなく、身体と五感で感じ取れる見えない壁で区切ることで、そこに生きる「流れ」をつくり、ゆったりとした住まいをつくります。例えば天井の高低差によって感じる開放感と圧縮感を巧みに設計することで、そこには確かにゆるやかな壁が存在します。
人の住まいに一番優れた照明は自然光、そう、太陽光です。太陽光の光をガラスウォール、又は、スクリーンといわれる「透けて見える壁」から取り入れることで緑、景観、環境との一体感を図ります。大きな開口部を設け、柔らかな太陽の光を室内にいざないます。
日本の家には伝統的な様式美の和室があります。このスペースは礼を正す場所として囲われる空間と、くつろげる場所としての開放感を感じられる空間という2つの側面を持ち合わせています。オーガニックハウスの和室はフランク・ロイド・ライトの考えを反映し、より昇華した空間を作り出しています。座ること、横になることを前提として天井高をおさえて圧縮感を持たせています。和の様式美を尊重しつつも、例えば天井の照明などは光と影のコントラストを強調し異次元空間をつくりだして重厚さと落ち着きをかもしだしています。
オーガニックハウスは壁と壁の交わる箇所に緩やかな丸みをデザインを施し、また床、壁、天井はすべて延長線上にあると考え、それぞれが交わる境界を弱め、あいまいな部分をつくっています。これらは、空間がゆるやかに連続し調和した一つの大きな住まいであることを感じさせ、心地よさをもたらしてくれます。自然に包まれるようなイメージを抱かせるためのこれらの設えはオーガニックハウスのデザインコードに裏付けられた設計により成り立っています。
オーガニックハウスの住まいには曲面が特徴的な住まいがあります。曲面の壁は住まい人を優しく包み込む思考と落ち着きの為の最適な場となります。外観からは半円の外壁となり住まいをひきたたせます。弧の大きさが大きすぎると籠るという感覚が薄れてしまうので、デザインコードで定められた大きさを守ることが設計上重要なポイントとなっています。
自然素材でなければ醸し出せない温もりや質感を必要とするところには自然素材を用い、高い機能性が必要なところには知恵により編み出された人工素材を用いています。適材適所に厳選された素材の本質をつかみ如何に使うかを考えることで、健康や住み心地を充分に考慮した住まいとなります。